イランをめぐる緊張緩和を受けてホルムズ海峡が再開通し、ドルが積み上げていた「戦争プレミアム(有事の上乗せ分)」がほぼ消滅したと見られます。地政学リスクが為替相場をどう動かすのか、そのメカニズムを3つの視点で整理します。
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ホルムズ海峡再開通でドルの「戦争プレミアム」がほぼ消滅―地政学リスクと為替の関係を学ぶ
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Key Takeaways
中東の重要な石油輸送ルートであるが、イランとの和平進展を受けて再開通しました。これにより、有事への警戒から買われていたドルが売られ、開戦懸念が高まった時期に上昇した分をほぼ取り戻す形で相場が下落したと見られます。同時に、日本銀行(日銀)が観測をやや後退させる姿勢を示したことで、円も軟調に推移したと報じられています。
有事(戦争・紛争)が起きると、投資家は安全とされる資産に資金を移す「」の動きをとります。ドルは世界のとして有事に買われやすく、今回もイラン情勢の緊迫化とともに上昇していました。この上乗せ分を「」と呼びます。海峡再開通で石油の安定供給が確認されると緊張が和らぎ、プレミアムが剥落(はくらく)してドル売りが進んだと見られます。一方、日銀がに慎重な姿勢を示すと、日米のが縮まりにくくなるとの見方から円が売られやすくなる構図もあります。
は予測が難しく、短期間で相場が大きく動く要因となります。個人投資家にとっては、(1)外貨預金や外国株式を保有している場合、為替変動が損益に直結する点、(2)原油価格の安定化はエネルギー関連コストを通じて物価や企業業績にも影響する可能性がある点、に注意が必要です。ただし、今回の動きが一時的なものか、構造的な変化かはまだ見極めが必要と見られます。短期の値動きに過剰反応せず、自身の投資方針に基づいた冷静な判断が重要と言えるでしょう。
イラン情勢の今後の動向
今回の和平進展が構造的か一時的かの見極めが、ドルのプレミアム再発生を判断する鍵
日銀の利上げ政策決定
日米金利差の縮小は円売り圧力となり、為替相場への波及効果が大きい
WTI原油価格の推移
ホルムズ海峡の緊張緩和で下落基調の可能性。エネルギーコストを通じて物価・企業業績に波及