日本銀行の金融政策が「後手」と市場に判断された場合、円安圧力が強まる可能性があると元財務官の神田氏が指摘した。一方、EV(電気自動車)需要の失速を受けた電池メーカーが電力貯蔵事業へ活路を見出そうとしているが、参入障壁は依然として高い状況だ。金融政策と産業構造の変化が交差する局面を読み解く。
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日銀の政策対応遅れが円安を招く?
次: EV電池メーカーの事業転換にも注目
Key Takeaways
アジア開発銀行の神田前財務官は、日本銀行が市場の想定より遅いペースでしか金融政策を正常化しない場合、「後手」と判断されて圧力が強まる可能性があると述べた。さらに日本の財政状況の悪化も要因として指摘した。別の動きとして、EV市場の成長鈍化を受けた電池メーカー各社が、余剰生産能力を活かすために定置用電力貯蔵システム事業への参入を検討していることが伝えられている。
日銀が政策金利の引き上げを慎重に進めるのは、国内景気や物価の不安定さを考慮しているためとみられる。しかし米国など海外とのが縮まらなければ、投資家は利回りの高いドルなどを選好しやすく、結果として円が売られる構図が続く可能性がある。EV電池については、テスラや中国EVメーカーの販売伸び悩みで需要見通しが下方修正されており、設備過剰を抱えたメーカーが新たな販路として再生可能エネルギーの蓄電需要に目を向けている。
が進めば、輸入物価の上昇を通じて国内の生活コストが上がるため、資産を円だけで持つ個人投資家には実質的な購買力低下リスクがある。外貨建て資産や輸出関連株が相対的に恩恵を受けやすいと見られるが、為替変動は双方向であり注意が必要だ。電池・蓄電池関連銘柄については、EV向け需要鈍化というマイナス材料がある一方、電力貯蔵市場の成長期待というプラス材料もあり、事業転換の進捗を見極める姿勢が求められる。
日銀金融政策決定会合(次回開催時)
利上げ継続か据え置きかで円相場が大きく動く可能性がある
日本の財政収支・国債発行動向(随時)
財政悪化が続くと円の信認低下につながるリスクがある
電池・蓄電池メーカーの決算・受注動向(四半期ごと)
電力貯蔵事業の収益貢献度が転換成否の判断材料となる